【#023健康の格言】コリは強く揉めば揉むほど悪化する

コリは強く揉めば揉むほど悪化する

コリは強く揉めば揉むほど悪化する —— “強刺激依存が身体を壊す仕組み

整体院や整形外科の現場で、肩こり・首こり・背中の張り・腰痛で来院される方から
とてもよく聞く言葉があります。

「強く押されると効いた感じがするんです」
「もっと強く揉んでほしいです」

しかし、臨床家としてはっきりお伝えします。

結論:強く揉むほどコリは悪化します

強い力で揉まれた直後にスッキリするのは、
**
治っているのではなく、痛覚が麻痺しているだけ”**です。

人体には 痛覚の受容器(自由神経終末) が存在しており、
強い圧刺激が繰り返されると感覚が鈍化します。
つまり、同じ強さでは効かなくなり、さらに強い刺激を求めるようになります。

これは薬物依存と同じ 耐性(tolerance の仕組みです。

強い刺激で起きること(筋肉の内部で何が起こるか)

強いマッサージや指圧により、筋肉には以下が起こります。

影響

内容

筋繊維の微細損傷

筋線維が壊れ、炎症細胞が集まる

発痛物質の増加

プロスタグランジン、ブラジキニンが増加し痛みが増す

防御性収縮

身体が守ろうとして筋肉を固める

血流低下

血管が収縮し酸素供給が減少

感覚麻痺

痛覚の閾値が上昇し「もっと強い刺激」が必要に

その結果、
筋肉はさらに硬くなり、コリは悪化して慢性化します。

「強く揉まれないと効かない体」になるのは、
回復ではなく 破壊と麻痺の繰り返しです。

気持ちよさ治るは別物

強い刺激の直後に感じる気持ちよさは、
脳内でエンドルフィンが放出される快感の錯覚です。

脳が一瞬だけ痛みを遮断するため、
「効いた!」と感じやすいのですが、
その後、炎症と硬化によって状態は悪化します。

体が求めているのは、
強さではなく、血流と柔軟性の回復です。

本当に必要なのは「正確な圧」と「方向」

筋肉は、強さではなく

やさしく
遅く
正しい方向へ

圧を入れた時に最もゆるみます。

筋膜・深層筋に対して
垂直でなく、線維方向に沿って滑らせるように圧を入れると、
血流が回復し、筋緊張は自然に解けます。

強い力で押した時に起こる
反射的な防御性収縮(ガード反応) が出ると改善は進みません。

典型的な悪循環の例

  1. 強く揉む
  2. 痛みが麻痺して一時的に楽
  3. 微細損傷 炎症 さらに硬化
  4. 効かなくなる
  5. もっと強い刺激を求める
  6. 慢性化/神経過敏化

これが 強刺激依存性患者 の典型です。

改善への正しいステップ

根本改善の優先順位は以下です👇

1️⃣ 身体の歪みを整える(アライメント改善)
2️⃣ 過剰な筋緊張を解除(過剰筋の抑制)
3️⃣ 弱い筋肉を活性化(拮抗筋バランス)
4️⃣ 血流改善(酸素供給)
5️⃣ 呼吸と自律神経を整える

強刺激はどれにもプラスになりません。

セルフケアは弱刺激+呼吸

・肩甲骨を大きく回す
・胸を開く深呼吸
・耳や後頭部周囲をやさしく触れる
・温めて血流改善

このほうが圧倒的に効果的です。

🪷まとめ

  • 強く揉むほどコリは悪化し、炎症と硬化が進む
  • 一時的に楽になるのは麻痺であり治癒ではない
  • 刺激依存になり、強さを求め続ける悪循環が起きる
  • 改善に必要なのは正しい方向への適度な圧と血流
  • 治療の目的は筋肉を壊すことではなく、回復させること

★Youtubeで動画も見られます
https://youtu.be/mQ1Wva2pzJ0

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