気象と症状の関係:季節病と気象病

気象と症状の関係:季節病と気象病

気象の変化が直接カラダに影響を及ぼす場合と、気象の変化によって病気のもととなる細菌やウイルスが増加して病気になるものがあります。

脳梗塞は本来冬の病気でしたが、最近夏に増加の傾向があります。

この原因は猛暑の中で、汗をたくさんかいているのに十分な水分を取らないことが原因です。

大量の汗をかいた場合、体内のナトリウムが汗とともに流失してしまいますが、体内でナトリウムが不足してしまうと、
からだのナトリウム濃度を維持するために、さらに体内の水分を放出してバランスをとろうとしてしまうからなんです。

海水を煮詰めるていくと、水分が減って塩だけ残りますよね!?そんな感じで薄くなったナトリウムの水分を排泄して、もとの濃いナトリウムの状態に戻す・・・そんな感じです

これによって体内の血液がドロドロになり、脳の血管に障害がおこってしまうというわけ。

腎結石や尿管結石も夏に多いのは、体内の水分や塩分が不足してるから起こりやすいんですね。

日本は四季の変化が素晴らしい国です。実際は春から夏の間に40日にも及ぶ梅雨という雨の季節があるので、実際は5つの季節がある・・・と考えた方が気象病といわれる、季節に特徴的な症状を理解しやすいと思います。

季節の変わり目に関節が痛んだり、持病が再発したり,健康な人でも体調を崩しやすいことは経験的に知られています。

季節が変わるときには必ずと言って良いほど、雨の降りやすい時期がありますが、春と夏のあいだにある梅雨はもちろん

・秋の長雨(9月中旬〜10月上旬)

・サザンカ梅雨(11月中旬〜12月上旬)

・なたね梅雨(冬から春の変わり目)最も気象の変化が激しい時期

 

などがあり、この時期も体に対して注意が必要です。

晴れの日と雨の日の気温の変化の違い

私たちは朝に起きたときはからだの働きがまだ十分ではありません。

物を食べたり、体を動かしてだんだんと体温が上がっていくんですね。起きてすぐは頭もぼんやりしてたり、からだも機敏には動けないのはそういう訳です。

この体温の上昇と、1日の気温の上昇も実は連動しています。

晴れた日は日の出とともに気温が上昇して、午後1時くらいがピークで、夜になって気温が下がるというリズムにからだも合っています。

ところが春頃の雨の日は、日中になっても朝と気温が変わらず、気温が高くなるのは夕方だったりします。

晴れてる日なら夕方は気温が下がりはじめる時間帯なのですが、からだは勘違いをして

気温が上がった=(朝と勘違いして)体内の熱を産生

という動きが出てきちゃいます。熱がドンドン作られるので体外に熱を出そうとしますが、体の表面は外気の冷たさを感じて、皮膚や毛細血管を収縮させて熱を逃がさないように働く。

こういったわけで、からだの中心部からの情報や、内分泌系の働きと体の表面から受け取る情報が全く逆になり、体調を崩しやすくなるんです。

海外旅行で時差ぼけを起こしてるのと同じような状況なんですね。

このからだと外気変化のリズムがずれた状況がしばらく続くと、完全にからだのリズムが崩れてしまいます。

前日に晴れて翌日が雨だと体への負担がとっても大きくなるのがおわかりと思います。

気象が病気に関係する要素として

  • 気温の変化
  • 湿度の変化
  • 日照時間の増減

があり、その時の気象条件で起こりやすい症状は以下のようなものがあります。

低温:循環器、呼吸器
高温:熱中症、泌尿器の結石、食中毒

多湿:ダニやカビの増殖でアレルギーの原因
乾燥:インフルエンザ、呼吸器

高気圧:大気汚染の機会大で呼吸器
低気圧:神経痛、頭痛

日照時間少ない:うつ病、神経症
日照時間多い:スギやヒノキの花粉増加(時間差で春に影響大)

太陽光は皮膚ガンになると敵視されがちですが、紫外線は骨を丈夫にする働きはもちろん、体内時計の調整にも関与していて全く浴びないのも問題があります。

朝の光をしっかり浴びましょう!短時間の朝日で十分なんだそうですよ

気温と体感温度

ニュースで報道される気温より暑く感じることは経験あると思います。

気象台の観測環境ってご存じでしょうか?

学校でみた百葉箱って覚えてますでしょうか?

気温って広い芝生の上で、直射日光の当たらない、白く塗られた光を反射する、地面より高く、風通しの良い場所で計測されているから、私たちのまわりの気温と違うのは当たり前なんです。

報道される気温は日陰の気温だと思って間違いないです。

晴天で気温が32度の場合、アスファルトの上は気温37度程度だそうです。

これは体温より高い状態。緑の少ない都会だともっと大変です。

夏の不快指数

気温のほかに日射量、湿度、風速で体が実際に感じる気温は違ってきます。

湿度と風速は汗の乾き方に違いをもたらす通り、汗をかいてその汗が蒸発する際にからだから熱を奪って涼しく感じます。

空気は湿度によって含むことのできる水蒸気の量が決まっています。

空気が乾燥していて、湿度が低いときには皮膚から汗がどんどん蒸発していきますが、湿度が高いとそうも行きません。

不快指数はこんな計算式だそうです

不快指数=気温×0.81+0.01×湿度×(0.99×気温−14.3)+46.3

これには風の要素や日射の影響が現れていないそうで、湿球黒球温度=WBGTというのが主要都市のデータは環境省のHPに掲載されるようです。

計算式は

屋外:WGBT=気温×0.1+湿球温度×0.7+黒球温度×0.2

屋内:WGBT=湿球温度×0.7+黒球温度×0.3

こういう器具を使って計測するそうです。(画像は日本体育協会HPを参照)右側の2本の温度計は、学校の教室とかでみたことありますよね。

風速1メートルにつき体感温度は1度下がると言うことだけでも知っておいたら良いと思います。

湿度と病気

気象情報などで使われる湿度とは相対湿度です。

同じ50%と言う湿度でも、夏と冬では空気中の水蒸気量が違います。

気温が30度の時1平方メートルあたり、空気は約30グラムの水蒸気を含むことができます。
湿度50%というのは30度の空気が15グラムの水蒸気を含んでいる状態。

気温が10度になるとこの水蒸気量は9グラムに減少します。この時の湿度が50%の場合4.5グラムしか水蒸気がないことになるわけです。

1グラムの汗が蒸発するとき540カロリーの熱がからだから奪われますが、湿度が低いほど皮膚から汗が蒸発しやすいので、夏は涼しく感じますが、冬は同じ気温でも湿度が低いほど寒く感じるようになります。

初夏から夏の高湿度の環境では、カビやダニが繁殖しやすくなりアレルギーの原因にになるし、食べ物も腐りやすく食中毒も増えて来ます。

秋から冬の湿度が低くなる時期は、空気が乾いているせいでハウスダストといわれる家の中のほこりやダニの死骸、糞などの微粒子が飛散しやすくなります。

ダニは夏の間は盛んに繁殖しますが、気温が下がってくると死んでしまいます。

このハウスダストが最も多いのが9月下旬から10月で、最近は11月まで多いようです。

これは、秋の長雨が終わって空気が乾燥してくる時期に当たり、ぜんそくの患者さんが増える時期にもなります。

それから、乾燥した空気で喉や鼻の粘膜を傷つける事も増えて、呼吸器系の病気を引き起こします。

インフルエンザも増えてくるわけです。

多くの病原菌は高温多湿を好むのに、インフルエンザウィルスは低温低湿度の環境を好みます。

そういうわけで、空気が乾燥しやすい冬の太平洋側で流行しやすくなります。

コンクリートやアスファルトに囲まれた環境では、雨が降ってもそのまま下水に流されて、地面からの水分の蒸発がなくなってしまう緑の少ない大都市では、さらに湿度が下がる傾向にあります。

車や工場の関係で大気汚染もあったりでさらに注意が必要です。

前線と台風と病気

気温や気圧、湿度が短時間で変化するときに多くの病気が起こります。

低気圧に伴う寒冷前線が通過するときと台風が通過するときがそうなんです。

寒冷前線に関しては気温が5度ほど低下することが多く、これは衣服1枚分(重ね着が必要)に相当する気温の変化だそうです。

台風は温かい巨大な低気圧ですから気温の変化はほぼないです、代わりに気圧の変化が1日で30〜50hPaと非常に大きな変化になるので、偏頭痛などの持病がある方は注意が必要です、

ぜんそくに関しては、台風の接近や通過中には発作か少なく、通過して数日経った方が発症しやすいそうです。

高気圧に覆われて朝晩冷え込んだときの方が発作が起きやすいことから、乾燥と低気温のほうが悪化しやすいんですね。

光と病気

太陽の光でビタミンDの合成が促されるから・・・日光浴が推奨されてた時期もありました。

太陽の光は人間の体内時計の調整にも関係するので、光に当たることは大切です。

ですが、長い期間紫外線に当たると皮膚ガンの危険性や、白内障、光過敏症などの危険性も増えるのは事実。

朝の光を短時間浴びるだけで十分なので、早起きして朝日をしっかり浴びましょう。

ただ、うつ病や神経症の治療には光線療法など、強制的に明るくした環境で治療を行ったりします。

どんよりした曇り空や、梅雨で雨が続くと気分がめいってしまいますもんね。明るい環境が治癒に貢献するわけです。

都市環境と健康

東京に出張に行くと緑が少なくて息が詰まりそうになる事が多いです(^_^;

地面がコンクリトーやアスファルトに覆われ、人も車もオフィスも集中して、都心部の気象は周辺と違っています。

気温,湿度、大気汚染の状態が全く違うようです。

高層ビルが増えて、その下ではビル風とかのように、強い風が吹いていますが、実際はビルで風が遮られて平均すると風は弱くなってるそうです。

このため熱が逃げにくく、エアコンの室外機などで中心部ほど気温が高くなりヒートアイランド現象とかいわれて問題になっています。

降った雨はすぐに下水に流され、地面から水蒸気の補給がなくなりより乾燥して、湿度が低くなります。

都心部と周辺の気候が、あまりに違いすぎるため郊外から都内へ通勤する方は体への負担が、実はかなり大きいのです。

短い時間で気温や湿度が変化するので、寒冷前線の通過と同じような状況を毎日受けている事になるんですね。

特に冬はその影響が大きく、都内から50km離れると気温が5度低いそうです。湿度も10ポイント郊外の方が高い・・・

この気象の変化を1時間足らずの通勤で、毎日経験するわけですから体への負担はかなりのもでしょう。

鹿児島の整体おんおんどう