熱中症かな・・・?と感じたら『ひよめき』を冷やそう

ここ鹿児島でも、連日35度越えの日中。

日本各地でも猛暑日の警報が出ていますね。アスファルトの照り返しでは、気温より10度以上(実際はもっと?)高くなってるデータもあるようです。

屋外での作業で熱中症になるのはわかりやすいですが、外出はしていないのに湿度の高さからおこる『古典的熱中症』の方が増えています。

そんな時のケアを紹介します。

頭のてっぺんを冷やす

頭を真上から見た写真です。『ひよめき』と呼ばれる○の部分を冷やしてください。

アイスノンやケーキ屋さんでもらう保冷剤などを、濡らしたタオルでくるんで頭のてっぺんに乗せておくだけ。

外出先で、保冷剤が手に入らない場合は冷えたお水を買ってハンカチを濡らして乗せてください。

タオルなどが温かくなってきたら、また水で冷やして頭にのせるのをくり返しましょう。

冷やす時間は10〜15分ほど(子供の場合は7〜8分)

汗がでてきたり、オシッコが出てカラダにこもった熱が出ていきます。

頭の中心(鼻からの延長線)と耳の穴の少し前あたりの、出っぱったところです。

場所は、だいたいでよいのでその辺を冷やすようにしてください。

なぜ頭のてっぺんを冷やすと良いのか?

頭のこの部分は解剖用語で、大泉門(だいせんもん)と呼ばれた部位で、頭蓋骨の合わさり目になります。

生まれたばかりの赤ちゃんの頭を触ったり、見たことあると思います。

頭のてっぺんが『ポコポコ』動いてる場所がありますよね!?そこが大泉門つまり『ひよめき』と言う場所になります。

心臓の拍動とは、また違った早さでリズミカルに脈打ってます。1歳半から2歳頃には完全に閉じてしまうのですが、大人でも出っ張りがあるので触って確認してみましょう。

赤ちゃんの頃の頭がぽこぽこ動いてた大泉門の脈打つような動き、これは心臓の鼓動ではなくて『脳脊髄液』が循環するための動きなんです。

脳脊髄液(のうせきずいえき)とは脳〜脊髄がひとつの膜で包まれていて、そのあいだにある液体(リンパ液のおおもと)のことを言います。

カラダの中心部に脊髄はあるのはご存じと思いますが、からだのどまんなかをダイレクトに冷やすのが、このひよめきの冷湿布になります。

 

整体でこのひよめきという部分だけが、体の中で唯一冷やして良い場所とされています(額も冷やす場合がある)

熱中症の2つの種類

1.労作性熱中症

屋外の暑い環境のもとで、運動や作業をしていて外気だけでなく、自らも熱を作り出している状態。

スポーツの最中に具合が悪くなったり、農作業中に気分が悪くなって倒れたりするケースが多い。

2.非労作性熱中症(古典的熱中症)

高齢者に多く、屋外・屋内にかかわらず高温の環境にいただけで発症する熱中症のこと。

真夏日(そして猛暑日)と熱帯夜が続いたために、徐々に体力が低下し、疲れがたまる。

脱水が進んで本来の持病なども加わって、さらに熱中症の症状が悪化して入院になりやすい。

熱中症の症状

高温の環境のもと、発汗による脱水症状と臓器の高体温が主な原因です。

体内において熱の産出と発散のバランスが崩れて、体温が著しく上昇した状態を言います。

典型的な症状としては

●軽度〜中等度
筋肉痛、こむら返り、手足の脱力感、しびれ、めまい

●重度
頭痛、嘔吐、下痢、疲労感、軽い意識障害

●最重度

昏睡、ショック症状、全身の痙攣

見ていただいた通り熱中症には特徴的な症状はないといえます。

だから、暑い高温の環境ではどういった症状であれ熱中症の可能性があるとも言えるんですね。

熱中症の割合

気温35度以上の猛暑日、25度以上の熱帯夜の日数は毎年増加して、常に前年を更新中。

厚生労働省の報告によると『熱中症患者の推移(2010〜14年)』で、熱中症で医療機関を受診する患者さんは30万人程度だそう。

70歳以上の方は若い年齢より入院率が3倍で、死亡率は6〜10倍という報告があります。

高齢者ほど熱中症になりやすいと言うことが言えますよね。

日常で注意すること

水分補給が第一なので、脱水症状を予防するためにも塩分と水分をしっかりとりましょう!

食事で水分はとってるとは思いますが、1時間おきに100ccくらいのお水をこまめに飲むようにしてください。

市販のハイポトニック飲料(ポカリスエットやアクエリアスなど)で代用するともっとよいです。

熱中症では、汗によって水分だけでなく、電解質と言われる成分(ナトリウム、カリウム、マグネシウム)も失われます。

水分の補給はもちろん、電解質の補給も必要になります。

下痢や嘔吐などの症状がある場合、経口補水液だと摂取しやすいですよね。

ドラッグストアに行けば経口補水液がたくさん売っています。

●OS-1(大塚製薬)
ナトリウムが100ccあたり115mgあるので中等度〜重度の熱中症におすすめ

●アクアソリタ(味の素)
ナトリウムが100ccあたり80mg。日常において予防の意味で飲むようにするのが良いです。

経口補水液などはじめとする、アイソトニック飲料は水だけを飲む場合に比べて30倍ほど体内に吸収されやすいそうです。

寝る前にも飲んで夜間の熱中症対策に、起床時にも飲むようにするとベストです。

市販のスポーツドリンクが甘すぎて飲めない方の対処法

市販されてるスポーツ飲料水は砂糖が大量に入っています^^;

2倍位に薄めて飲んでも良いのですが、自宅にある材料で簡単に作れます。

●水1リットル
●塩3g
●砂糖20〜40g

自宅で手軽に作れるのでお財布にも優しいです。

市販の味を期待するとがっかりしますが(とっても薄味なので)効果はほとんどかわりません。

少量作ってみて舌を慣らしてから、本格的に作るようにしていくのがおすすめです。

 

汗を大量にかく時期はこまめに塩をひとつまみなめたり、梅干しを食べる、味噌汁や梅昆布茶をのむことでも電解質の補給はできます。

 

塩分が不足すると足がつったり、疲れが取れにくくなるので暑いこの時期は塩分補給がたいせつです。

なぜひよめきというのか?(おまけ)

頭蓋骨は外見上、6つの骨が重なってできています(正確には29個)

赤ちゃんは生まれてくるとき、産道というせまいところを通って生まれてきます。

そのため頭蓋骨を重ならせて、できるだけ小さなサイズで通り抜けられるようになってるんですね。

それから、脳みそが成長するスペースを残しておく意味合いもあります。

そういうわけで脳にはたくさんの合わせ目(縫合)があるのですが、合わせ目がたくさんあるところが

大泉門と小泉門。このなかで大専門の部分が『ひよめき』と言われる場所になるんです。

漢字で書くと

顋門(または顖門)

顋とは魚のエラを意味して、ひくひく動く骨の隙間を言うんだそうです。

ひよめきを一文字で表す

囟(シン)

という象形文字のような漢字の表記もあるのですが、頭を真上から見た頭蓋骨の縫合・隙間を表しているそうです。

頭蓋骨の写真とこの一文字を眺めてみると、なんか納得できませんか^^

赤ちゃんの頃の大泉門の動きがひよひよと動いているので『ひよめき』なんだそうですよ。

鹿児島の整体おんおんどう