温湿布を貼っても良くならない本当の理由
腰痛や肩こりに悩む方の多くが、痛みを感じるとすぐに温湿布を貼ります。温かくなった気がして安心する。しかしなぜか症状が改善しない。このような経験をお持ちの方は非常に多いのではないでしょうか。
実はこれには明確な理由があります。温湿布は体の深部まで温めていないからです。
温湿布の成分と作用メカニズム
温湿布に含まれる主成分はカプサイシンです。カプサイシンはトウガラシから抽出される辛味成分で、皮膚の表面にあるTRPV1受容体(熱受容体)を刺激することで温熱感を生じさせます。
つまり実際に熱が発生しているのではなく、神経を刺激することで脳に温かいと錯覚させているだけなのです。
この作用は皮膚表面にとどまり、筋肉・腱・関節包など深部組織まで熱は届きません。市販の温湿布のパッケージに温と記載されていても、本当の意味での温熱療法とは全く異なるものです。
深部加温が必要な理由
慢性的な腰痛や肩こりの多くは筋肉の血行不良と深部の筋緊張が原因です。
筋肉が冷えて血行不良になると以下のような悪循環が生じます。
血行不良が起きると筋肉への酸素と栄養の供給が低下します。酸素と栄養が不足すると筋肉が硬直して乳酸などの疲労物質が蓄積します。疲労物質が蓄積すると痛みや張りが増強します。痛みが増強するとさらに筋緊張が強まります。
この悪循環を断ち切るためには深部まで熱を届けて血行を改善することが必要です。表面的な温感刺激では根本的な改善にはつながりません。
理学療法の分野では温熱療法を表在熱と深達熱に分類しています。
表在熱は皮膚表面から数ミリ程度までに効果がある温め方です。市販の温湿布やカイロが該当します。即効性はありますが深部への効果は期待できません。
深達熱は筋肉・関節・深部組織まで熱が届く温め方です。入浴や手作り温湿布(湿熱)が該当します。血行改善・筋緊張の緩和・自然治癒力の向上に効果的です。
慢性的な痛みの改善には深達熱によるアプローチが必要です。
今日からできる正しい温め方
深部まで効果的に温める最も簡単な方法が手作りの湿熱温湿布です。
用意するものはタオルと電子レンジだけです。
作り方はとても簡単です。タオルを水でしっかり濡らして固く絞ります。次に電子レンジで15秒程度加温します。取り出したタオルが熱すぎる場合は少し冷ましてから患部に当てます。冷めてきたらタオルを折り返して温かい部分を使います。
湿熱は乾熱に比べて熱の伝導率が高く深部まで効率よく熱が届きます。これが入浴やホットパックが慢性的な痛みに効果的な理由です。
温度の目安は40~42度程度で気持ち良く感じる温度が適切です。熱すぎると低温やけどの原因になるため注意が必要です。
温熱療法が効果的なケースと注意点
温熱療法が特に効果的なケースは慢性的な筋肉のこわばりや血行不良による痛み、筋肉疲労の回復促進、関節の可動域改善などです。
一方で急性期の炎症(受傷直後・腫れや熱感がある状態)には温熱療法は禁忌です。急性期には冷却が適切な対処法です。また糖尿病などで感覚が鈍くなっている方は低温やけどに注意が必要です。
当院のアプローチ
おんおんどうでは温熱療法を施術の重要なサポートとして位置づけています。
特に当院が注目しているのはお腹の深部にある筋肉(腸腰筋・腹横筋)の緊張です。これらの深部筋が硬直すると骨盤が歪み腰痛や肩こりへとつながっていきます。
施術でお腹の深部筋にアプローチしながら温熱療法で血行を改善することで相乗効果が生まれます。
また正しいセルフケアの方法をお伝えすることも当院の施術の重要な柱です。施術を受けていない時間も体が改善に向かい続けるよう、患者さん一人ひとりに合ったセルフケアをご提案しています。
まとめ
温湿布はカプサイシンによる表面刺激で温感を生じさせるだけで深部まで温まらない。慢性的な腰痛や肩こりの改善には深部まで熱が届く湿熱療法が効果的。手作り温湿布は濡らしたタオルを電子レンジで15秒温めるだけで簡単に作れる。急性期の炎症には温熱療法は禁忌のため注意が必要。正しいセルフケアの知識が回復スピードを大きく左右する。
痛みや不調でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
鹿児島の整体おんおんどう
理学療法士 迫田徳昭
施術歴37年・施術実績25万回
鹿児島市小野3-2-7
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