【#103健康の格言】「痛いぐらいが良い」「ガマンするぐらいの方が良く効く」は間違いで「気持ち良いくらい」が正解

 

痛い施術が効くという通説の問題点

施術中に痛みをガマンしたことがありますか。痛いくらいが効くという言葉を信じて歯を食いしばりながらマッサージや整体を受けた経験がある方は多いと思います。

 

しかしこの考え方は生理学的な根拠がありません。それどころか痛みをガマンしながら受ける施術は体の回復を妨げる可能性があります。

 

理学療法士として37年間、25万回以上の施術を行ってきた中で確信していることがあります。気持ち良いと感じる施術こそが体を本当の意味で回復させるということです。

103「痛いぐらいが良い」「ガマンするぐらいの方が良く効く」は間違いで「気持ち良いくらい」が正解

痛み刺激が引き起こす生理学的反応

 

過剰な刺激によって痛みを感じているとき体の中では以下の生理学的反応が連鎖的に起きています。

 

侵害受容器の活性化という反応があります。

強すぎる圧力や刺激は皮膚・筋肉・結合組織の侵害受容器を活性化させます。

侵害受容器はAδ線維とC線維を通じて痛みのシグナルを脊髄後角に伝達します。

 

交感神経系の活性化という反応もあります。

痛みのシグナルが視床下部に伝達されると交感神経系が活性化されます。

これはいわゆる闘争か逃走かの反応です。

交感神経の活性化によって心拍数が増加します。

末梢血管が収縮して血流が低下します。

筋肉の緊張が高まります。

コルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されます。

 

つまり痛みをガマンしながら施術を受けている間体は緊張・防御モードになっています。この状態では筋肉が真にリラックスすることはできません。

 

伸張反射と防御収縮

 

強すぎる圧力を筋肉に加えると伸張反射が起きます。

伸張反射とは筋肉が急激または過剰に引き伸ばされたとき,

損傷を防ぐために筋肉が反射的に収縮する生理的な反応です。

 

この反射は脊髄レベルで処理されるため意識的にコントロールすることができません。

 

強く押されて「痛い」と感じている状態では筋肉は緩もうとするのではなく,

反射的に収縮しようとします。

これは施術者が緩めようとしている動作と筋肉の反射が相反する状態であり、

結果として筋肉は真に緩むことができません。

 

揉み返しの神経筋学的機序

 

揉み返しとは施術後に生じる筋肉の重だるさや痛みのことです。

揉み返しの発生メカニズムは以下のように説明されます。

 

過剰な機械的刺激によって筋繊維に微細な損傷が生じます。

損傷部位にマクロファージや好中球などの免疫細胞が集積します。

これらの免疫細胞が炎症性サイトカインを放出します。

炎症性サイトカインが侵害受容器を感作させて痛みが生じます。

 

これは適度な運動後に生じる遅発性筋肉痛と類似したメカニズムです。

揉み返しは「効いた証拠」ではなく「過剰な刺激によって組織に損傷が生じたサイン」です

。これが繰り返されることで慢性的な炎症状態につながる可能性があります。

 

気持ち良い刺激が引き起こす生理学的反応

一方で気持ち良いと感じる適切な刺激を受けているとき,

体の中では以下の反応が起きています。

 

機械受容器の活性化という反応があります。

適切な圧力や触圧刺激はRuffini終末やMeissner小体などの機械受容器を活性化させます。

これらの受容器は侵害受容器とは異なり痛みではなく触圧の快感覚を伝達します。

 

副交感神経系の活性化という反応もあります。

快適な触覚刺激は副交感神経系を優位にします。

副交感神経の活性化によって心拍数が低下します。

末梢血管が拡張して血流が促進されます。

筋肉の緊張が低下します。

オキシトシンやエンドルフィンなどのリラックスホルモンが分泌されます。

 

オキシトシンとエンドルフィンの効果について説明します。

オキシトシンは筋緊張を低下させて不安を軽減する作用があります。

エンドルフィンは内因性オピオイドとして鎮痛効果と気分の改善をもたらします。

これらのホルモンは気持ち良いと感じる刺激によって分泌が促進されます。

 

適切な施術強度の判断基準

 

では適切な施術強度はどのように判断するのでしょうか。

気持ち良いと感じる強さがその基準です。

より具体的には気持ち良い痛さという感覚が適切な範囲の上限です。

自分の体にとって心地よいと感じられる程度の刺激であれば,

副交感神経が優位に保たれて筋肉のリラックスが促進されます。

 

これを超えてガマンが必要な痛みを感じる状態になると交感神経が優位に切り替わり,

前述の防御反応が始まります。

 

当院のアプローチ

おんおんどうでは施術の強さを,できるだけ患者さんが気持ち良いと感じる範囲に保つことを原則としています。

 

痛みをガマンさせる施術は必要な場合を除き,原則行いません。

施術中に患者さんが「気持ち良い」と感じている状態を維持することで,

副交感神経優位の状態を保ち筋肉が真にリラックスできる環境を作ります。

 

特にお腹の深部にある腸腰筋など,

表面からのアプローチでは届きにくい深部筋へのアプローチでも,

過剰な力は使いません。

適切な位置と角度で体の自然なリリース反応を引き出すことを重視しています。

 

まとめ

痛みをガマンする施術は侵害受容器の活性化から交感神経系の興奮を引き起こし筋肉の防御収縮と血流低下をもたらす。

強すぎる施術刺激は伸張反射を誘発して筋肉が緩もうとする施術の目的と相反する反応を起こす。

揉み返しは効いた証拠ではなく過剰な刺激による筋繊維の微細損傷とそれに続く炎症反応のサインである。

気持ち良いと感じる適切な刺激は機械受容器を活性化させ副交感神経系を優位にしてオキシトシンとエンドルフィンの分泌を促進する。

気持ち良いと感じる強さが施術の適切な強度の判断基準であり体の深部から真にリラックスさせることが根本的な改善につながる。

施術選びの基準は「気持ち良いか」どうかです。

 

鹿児島の整体おんおんどう
理学療法士 迫田徳昭
施術歴37年・施術実績25万回
鹿児島市小野3-2-7
10:00〜20:00(日祝OK・完全予約制)

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